第10回 高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」
受賞者決定のお知らせ
- 平成28年9月29日
- 公益財団法人 高橋松之助記念顕彰財団
- 事務局
- 第10回 高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」
受賞者決定のお知らせ - このたび、公益財団法人 高橋松之助記念顕彰財団主催の第10回高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」の選考会並びに選考顧問会が行われ、下記の学校・団体が受賞と決定いたしましたので、ここにご案内申し上げます。
- ■第10回高橋松之助記念 朝の読書大賞(賞状及び副賞30万円)
- 七尾市立天神山小学校(石川県七尾市)
- 横手市立横手南中学校(秋田県横手市)
- 富山県立富山いずみ高等学校(富山県富山市)
- ■第10回高橋松之助記念 文字・活字文化推進大賞(賞状及び副賞30万円)
- K-mix 静岡エフエム放送(静岡県浜松市)
- 第10回高橋松之助記念 文字・活字文化推進大賞 特別賞
- ビブリオバトル(普及委員会本部・滋賀県草津市)
- なお、贈呈式は10月31日(月)、午前11時よりクラブ関東(東京・千代田区丸の内1-3-1)で行われます。
- 受賞学校・団体および贈呈式の詳細は、別紙の通りとなっております。貴媒体にて広くご紹介賜れば幸甚に存じます。
【本件に関するお問い合わせ先】
- 公益財団法人 高橋松之助記念顕彰財団
- 事務局 担当:原 正昭
- 〒162-8710 東京都新宿区東五軒町6-24
- TEL:03-5225-9711 FAX:03-3266-1855
- E-mail:award@ajpea.or.jp
- URL:http://www.takahashi-award.jp
※贈呈式の取材ご希望がございましたら、ご連絡のほどよろしくお願いいたします。
- 高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」について
- 高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」は、文字・活字文化振興法の理念に則り、読書推進と文字・活字文化振興に貢献し、顕著な業績をあげられた学校及び地方自治体・団体・個人を顕彰するものです。
- この事業は、東京出版販売株式会社(現・株式会社トーハン)元社長・故高橋松之助氏の遺志を体して、同夫人リウ氏が全国出版協会および出版科学研究所に寄付されていた株式会社トーハンの株式を基金として、文字・活字文化の振興および啓発に資することを目的としたものです。
- 平成25年8月1日、公益社団法人全国出版協会の高橋松之助記念顕彰事業は高橋松之助記念顕彰財団(平成26年3月、公益財団法人に認定)へ移譲されました。
- ■高橋松之助記念大賞の要項
- ◎朝の読書大賞
- 朝の読書で顕著な実績のあった学校(小学校、中学校、高等学校)。
- 表彰状及び副賞各30万円 今回は3校受賞
- ◎文字・活字文化推進大賞
- 文字・活字文化の振興に業績のあった地方自治体・団体・個人。
- 表彰状及び副賞30万円。今回は大賞1団体、特別賞1団体の受賞
- ◎選考委員(50音順)
- 浅野純次(高橋松之助顕彰記念財団理事長)、上瀧博正(全国出版協会理事長)、
田中健五(全国出版協会顧問)、肥田美代子(文字・活字文化推進機構理事長) - ◎選考顧問(同)
- 阿刀田高(作家・山梨県立図書館長)、井出孫六(作家)、
植田康夫(上智大学名誉教授)、片山善博(慶應義塾大学教授・元総務大臣) - ■贈呈式及び祝賀会
- 日 時
- 10月31日(月) 午前11時より
- 場 所
- クラブ関東 大ホール(東京都千代田区丸の内1-3-1 東京銀行協会ビルヂング19階)
- ※ 「朝の読書」について
1988年に、千葉県のふたりの高校教師(林公氏、大塚笑子氏)の提唱で始められた学校における読書活動で、始業前の10分間、生徒と教師全員が自分の読みたい本を毎日読むというもの。「みんなでやる」「毎日やる」「好きな本でよい」「ただ読むだけ」という感想文や評価のない自由な読書活動です。2016年8月15日現在の実施校は27,715校。うち小学校16,816校、中学校8,664校、高等学校2 ,235校となっています。 - ※ 「朝の読書」の詳細は、朝の読書ホームページ http://www.tohan.jp/csr/asadoku/index.html
朝の読書推進協議会事務局へ。TEL 03-3266-9587
- ■第10回高橋松之助記念「朝の読書大賞」 授賞理由
- 七尾市立天神山小学校(石川県七尾市、向俊子校長)
- 七尾市では、学校、地域、家庭が一体となって読書・図書館教育の推進に力を入れている。市の中心部に位置する同校は、14学級、334名の児童が学び、平成18年から「朝の読書」を基盤に読書活動を実施、本年度は「教科学習の中で読書活動を入れる」「家庭・地域と連携する」を重点目標に全職員が地域と連携しながら活動している。
- 「朝の読書」は10年が過ぎ、改善を重ねながら継続しているが、週始まりの月曜日は特に20分間を使っている。次の朝、読む本を各人が机の上に置いて下校、図書袋を常に児童机の横に下げておくなど、いつでも自ら本を手に取り読書できる環境作りを進めている。また図書カードを工夫して、児童の読書状況や傾向が分かるようにファイルし、読書量だけでなく自分の読書履歴を振り返る機会を設けてきている。
- 地域や家庭と一体となった読書活動を推進することにも重点を置いており、市立図書館と連携した本の貸出や、ブックトークの実施、家庭での読書を進めるための「家読(うちどく)ノート」の活用など、本好きの児童を育てるための読書環境を整備してきている点が評価された。
- ※ 石川県の同賞受賞は第7回小松商業高等学校に続き2度目、小学校としては初めてになります
- 横手市立横手南中学校(秋田県横手市、藤峯千代美校長)
- 18学級、462名の生徒が学ぶ同校では、平成13年から「朝の読書」を開始、毎日15分間の活動を継続して16年目となる。取り組みを始めた当時は落ち着いた学校生活が日常化しているとは言えない状況だったが、徐々に学校全体に、本と向き合い本を通じて自分との対話をする習慣が根づいていった。
- 生徒は「朝の読書」をはじめとする読書活動を通じて心に残った言葉を書き留め、3年時にはこれを「心に残る言葉」という文集にまとめている。その他、全校での読書集会や図書展、読み聞かせなど学校司書と図書委員会の活発な活動もあり、生徒が学校図書館や読書に親しむ環境が整えられている点が評価された。また新聞を七紙購読し、図書とともに調べ学習など授業への活用も積極的に行われている。
- 「朝の読書」の定着とともに生徒の様子にも変化が見られ、様々な好影響をもたらしている。秋田県は全国学力調査で近年一位を継続しているが、同校も現在ではその県平均を上回る学力を誇る学校に成長している。
- 学校側では読書で培った「語彙力」「読解力」「表現力」もその一因ととらえ、「学びに向かう力」を養う上で根幹となる活動として「朝の読書」の意義を重んじている。
- ※ 秋田県の同賞受賞は初めてになります
- 富山県立富山いずみ高等学校(富山県富山市、八島美智子校長)
- 明治34年創立の富山県高等女学校を前身とする同校は平成14年に男女共学となり、総合学科と看護科が設置された。学校の大きな変化のなかで平成16年から「朝の読書」を変則的な形で導入、その後、職員会議で何度も検討を重ね、平成19年から毎日10分間の活動を継続している。
- 「学校教育計画」や「アクションプラン」「年間読書指導計画」での教職員側の読書推進の意識や「朝の読書四原則」の徹底と、平成21年から行っている読書履歴調査で生徒の現状を把握し、きめ細やかな読書指導を行っていることが評価された。
- また図書委員会として、読書会や講師を招いての教養講座、文学賞の世界をまとめた文化活動発表会での展示、読書川柳の実施など多彩な活動を行い、生徒に本の楽しさを伝えている。現在では統一HR「読書の時間」で学年に応じた「思考を重ねる読書」を目指し、実践している。
- 教職員の努力と図書委員会の活動などにより「朝の読書」が完全に定着した同校の取り組みは生徒たちに本との出会い、豊かな読書の時間をもたらしている。
- ※ 富山県の同賞受賞は初めてになります
- ■第10回高橋松之助記念「文字・活字文化推進大賞」 授賞理由
- K-mix(静岡エフエム放送)(静岡県浜松市、代表取締役社長 上野豊氏)
- K-mixは静岡県全域をカバーするFM放送局。平成19年当時、読書運動として開始されて間もない「うちどく(家読)」のコンセプトである「家族みんなで同じ本を読んで、読んだ本で話し、家族のコミュニケーションを深めよう!」に共感したディレクタ-が、夜の番組で「うちどく」をテーマに本の読み聞かせ(朗読)コーナーを企画、出版社等の協力を得て放送を開始した。
- 平成26年4月からは朝の番組「モーニングラジラ」の「ラジラFRIDAY STORY」(金曜日放送)に組み込んで継続。今日まで幅広いリスナーから「ホッと温かい気持ちになる」など好評を博している。
- 番組で紹介される本は、地元静岡県下の書店とタイアップし、店頭でコーナー展開をすることで、リスナーの読みたい気持ちに応えている。なお、紹介された本は、出版社の好意によって静岡トーハン会の書店より毎年一回、「静岡県立こども病院」へ寄贈されている。図書寄贈はこれまで8年間に亘って続けられ、同病院からは感謝状が贈られている。このようにK-mixは、10年間に亘る「朗読番組」の継続によって、本好きなリスナーを育成し、書店との連携による販売から地域に密着した社会貢献までの好循環を生み出した点が高く評価された。
- ※ 静岡県の同賞受賞は初めてになります
- ■第10回高橋松之助記念「文字・活字文化推進大賞」特別賞 授賞理由
- ビブリオバトル(普及委員会本部:滋賀県草津市、代表岡野裕行氏)
- 「人を通して本を知る。本を通して人を知る。」ビブリオバトルは、参加者同士が本について気軽に語り合うことで楽しいコミュニケーションの場をつくることができる仕組みとして生まれた。
- 「読書」「本の紹介」を、これまであまり本に親しんでこなかった人にも訴えていく力を持ち、本の魅力、本の持つ価値を広く再認識させ、文字・活字文化の振興に多大な功績を残している点が高く評価された。
- 平成19年夏、京都大学情報学研究科共生システム論研究室(当時)の谷口忠大氏により発案され、今年で10年目を迎える。「人と人とのつながり方」や「面白い本との出会い方」について、ゲーム性を取り入れることにより新しい価値観を世の中に提示し、学校や図書館、書店、カフェや企業内といった多くの場所で開催されるようになるなど急激に普及が進んでいる。
- また「全国大学ビブリオバトル」を開催、平成27年の予選参加者数は約900名、予選観覧者数は約4,500名に達し、多くのメディアに取り上げられるなど、様々な形態に波及している。
- 主導的な役割を行っている普及委員会は任意団体であり、善意のもとボランティアとして活動を継続している。