第16回 高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」
受賞者決定のお知らせ
- 2023年9月19日
- 公益財団法人 高橋松之助記念顕彰財団
- 事務局
- 第16回 高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」
受賞者決定のお知らせ - このたび、公益財団法人 高橋松之助記念顕彰財団主催の第16回高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」の選考会議が行われ、下記のように受賞者が決定いたしましたので、お知らせ申し上げます。
- ■第16回高橋松之助記念 朝の読書大賞(賞状、トロフィーおよび副賞30万円)
- 茅野市立金沢小学校(長野県茅野市)
- 相良村立相良中学校(熊本県球磨郡相良村)
- 学校法人伊藤学園 甲斐清和高等学校(山梨県甲府市)
- ■第16回高橋松之助記念 文字・活字文化推進大賞(賞状、トロフィーおよび副賞30万円)
- 社会福祉法人 日本点字図書館(東京都新宿区)
- なお、贈呈式は、11月6日(月)14時より出版クラブビル(東京・千代田区神田神保町1-32)で行われます。
- 受賞学校・団体および贈呈式の詳細は、別紙の通りとなっております。貴媒体にて広くご紹介賜れば幸甚に存じます。
【本件に関するお問い合わせ先】
- 公益財団法人 高橋松之助記念顕彰財団
- 事務局 担当:原 正昭
- 〒162-8710 東京都新宿区東五軒町6-24
- TEL:03-5225-9711 FAX:03-3266-1855
- E-mail:award@ajpea.or.jp
- URL:http://www.takahashi-award.jp
- 高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」について
- 高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」は、文字・活字文化振興法の理念に則り、読書推進と文字・活字文化振興に貢献し、顕著な業績をあげられた学校および地方自治体・団体・個人を顕彰するものです。
- この事業は、東京出版販売株式会社(現・株式会社トーハン)元社長・故高橋松之助氏の遺志を体して、同夫人リウ氏が社団法人全国出版協会および出版科学研究所に寄付されていた株式会社トーハンの株式を基金として、文字・活字文化の振興および啓発に資することを目的としたものです。
- 2013年8月1日、(公社)全国出版協会の高橋松之助記念顕彰事業は高橋松之助記念顕彰財団(2014年3月、公益財団法人に認定)へ移譲、現在に至っています。
- ■高橋松之助記念大賞の要項
- ◎朝の読書大賞
- 朝の読書で顕著な実績のあった学校(小学校、中学校、高等学校、特別支援学校含む)
表彰状、トロフィーおよび副賞各30万円 今回は3校の受賞 - ◎文字・活字文化推進大賞
- 文字・活字文化の振興に業績のあった地方自治体・団体・個人
表彰状、トロフィーおよび副賞30万円 今回は1団体の受賞 - ◎選考委員(50音順)
- 浅野純次(高橋松之助記念顕彰財団理事長、元東洋経済新報社社長)
加藤真由美(高橋松之助記念顕彰財団理事、元出版科学研究所所長)
斎藤健司(同、金の星社社長) - ◎選考顧問(同)
- 片山善博(大正大学社会共生学部公共政策学科特任教授、元総務大臣、元鳥取県知事)
- ■贈呈式
- 日 時
- 11月6日(月)14時より
- 場 所
- 出版クラブビル(東京都千代田区神田神保町1-32)
(贈呈式のみ行い、祝賀会は実施いたしません) - ※ 「朝の読書」について
1988年に、千葉県のふたりの高校教師(林公氏、大塚笑子氏)の提唱で始められた学校における読書活動で、始業前の10分間、生徒と教師全員が自分の読みたい本を毎日読むというもの。「みんなでやる」「毎日やる」「好きな本でよい」「ただ読むだけ」という自由な読書活動です。2023年5月31日現在の実施校は26,228校。うち小学校15,921校、中学校8,169校、高等学校2,138校となっています。(朝の読書推進協議会調べ)
「朝の読書」の詳細は、朝の読書ホームページをご参照ください。
https://www.tohan.jp/csr/asadoku/
- ■第16回高橋松之助記念「朝の読書大賞」 授賞理由
- 茅野市立金沢小学校(長野県茅野市、三澤ゆり校長)
- 7学級、児童100名の同校では、「朝の読書」を1999年より開始、毎朝10分間の活動を継続している。「教育の核は読書である」という自治体の強力な読書・図書館教育推進のもと、学校・地域・家庭が一体となった理想的な環境を整え、読書活動を行っている点が高く評価された。
- 茅野市では2000年より全小中学校で毎日の朝読を実施している。また2012年度からは市内の小中学校の校長を学校図書館長として任命し、図書館教育を行っている。同校でも月に1回、図書館運営委員会を行い、各学年の図書館教育の取り組みを紹介、確認しており、学校全体として図書館教育への意識を高めている。
- 春・秋の読書旬間では、図書委員による寸劇を通した「おすすめ本」の紹介や教師による学年枠を越えた「シャッフル読み聞かせ」、図書館企画の「図書館ビンゴ」など盛りだくさんの内容で、図書館が連日大盛況となっている。
- 「朝読参観日」や「読書参観日」を毎年実施していることからも、読書に対する学校の姿勢や地域の関心の高さが見て取れる。地域ボランティアやPTAの方による読み聞かせも活発に行われている。週に1時間「図書館の時間」として、司書教諭、学級担任、学校司書が協力し、調べ学習にも注力している。毎月第3金曜日は「家庭読書の日」とし、家読にも積極的に取り組んでいる。
- ※長野県の学校への同賞授賞は第4回(2010年)大桑村立大桑中学校、第8回(2014年)茅野市立永明小学校以来3度目になります。
- 相良村立相良中学校(熊本県球磨郡相良村、吉田憲一校長)
- 7学級、生徒93名の同校では、「朝の読書」を1999年より月に1週間という形で開始、2014年より「毎朝20分間の朝の読書」に変更し、同校の特色ある取り組みとして現在まで継続している。「朝の読書」の継続とともに、学校司書や国語担当教諭が中心となり、生徒が読書に親しむさまざまな活動を行っている点が高く評価された。
- 図書館は、学校司書による授業関連・行事・出来事などタイムリーなフェアにあふれ、生徒が親しむ環境が作られている。
- 「先生たちによるおすすめ本の紹介」、「相良中生にすすめたい100冊の本」冊子作成は10年以上継続している。「図書司書と国語教諭によるブックトーク」の実施、授業での調べ学習も積極的に行っている。2023年より新たに全校をあげてビブリオバトルを開始した。
- 「全生徒によるPOP紹介」「図書委員によるおすすめ本の紹介」、図書委員による保育園での読み聞かせや多読賞表彰など図書委員や生徒自らによる活動も活発である。
- 結果、1人当たりの図書館平均貸出数は70冊を優に超え、中学校としては驚くべき数字となっている。地域の方々へ図書館の本を貸し出したり、同校の読書活動を積極的に紹介するなど、地域に根付いた読書推進活動を展開している。
- ※熊本県の同賞授賞は第1回(2007年)熊本県立第二高等学校以来2度目になります。
- 学校法人伊藤学園 甲斐清和高等学校(山梨県甲府市、伊藤祐寛校長)
- 21学級、生徒502名の同校では、「朝の読書」を2006年より実施、日課表に組み入れ毎朝10分間の活動を17年以上継続している。学校側の「朝の読書」継続に対する体制づくりが徹底している点と、教職員や学校司書、生徒たちも積極的に読書活動を行い、学校全体に浸透している点が高く評価された。
- 「学校教育計画」のなかで「朝の読書の定着」を挙げ、教職員側の読書推進の意識や「朝の読書4原則」の徹底を図っている。読書計画立案や指導といった読書活動全般については、図書教養部担当教諭4名と学校司書1名できめ細やかに行っており、新年度当初の新入生研修会でも毎年「朝の読書のお知らせ」として時間を割いて、取り組みの周知と徹底を図っている。
- 図書委員会では、朝読書開始の校内放送を行っている。読書週間中にはおすすめの本の紹介を正面玄関に掲示したり、教師のおすすめの本冊子作成、配布をしている。教師によるおすすめ本の紹介は30年以上、冊子の作成は20年以上継続している。
- 「生徒が描いたしおりコンテスト」や「○○先生フェス」、「全学級での教師による絵本の読み聞かせ」なども特徴的な活動として挙げられる。生徒は授業で本のPOPを作成、図書委員や教師のおすすめの本の冊子からも作成されている。これらは市内書店の店頭で大々的に展開され、学外での発展的活動となっている。
- ※山梨県の学校への同賞授賞は第7回(2013年)笛吹市立浅川中学校以来2度目になります。
- 優秀校
- 大月市立初狩小学校(山梨県大月市)
学校法人開成学園 大宮開成中学校(埼玉県さいたま市大宮区)
宮城県松山高等学校(宮城県大崎市)
※優秀校には賞状および記念品を贈呈します - ■第16回高橋松之助記念「文字・活字文化推進大賞」 授賞理由
- 社会福祉法人 日本点字図書館(東京都新宿区)
- 1940年、前身である日本盲人図書館創立から今年で83年、日本点字図書館と改称してから75年を迎える。日本最大の視覚障害者用図書館として、点字図書や録音図書の製作・貸出を行うほか、視覚障害者に常に寄り添うさまざまな活動を行い、読書環境向上に大きく貢献している点が高く評価された。
- 創立者の本間一夫は5歳で視力を失ったが、その後函館盲唖院で点字本に出合い、25歳で日本盲人図書館を創立した。1953年に「朝日社会奉仕賞」を受賞、点字図書館の仕事が社会に広く認められるきっかけとなった。1955年には点字図書の出版を開始、1958年には録音図書事業「声のライブラリー」を開始。1960年に点字教室を、1966年に視覚障害者用生活用具の開発と普及活動を、1999年にDAISY図書(デジタル録音図書)の製作・貸出を開始するなど、さまざまなサービスを展開。本間一夫の没後も、2010年に開始された視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」の管理を担い、現在では障害者の自立支援や海外支援事業も行っている。「サピエ」の開始により、全国の点字図書、DAISY図書等さまざまなサービスが一元化され、視覚障害者のアクセスは飛躍的に向上した。
- 同図書館の活動の軌跡は、日本の視覚障害者に向けた取り組みの歴史と大きく重なっている。「全ての視覚障害者に読書のさまざまな選択肢を提供する」ことを使命に、“点字図書館”の名前にとどまらない、幅広い活動を継続している。
- ※東京都の同賞授賞は初めてになります