第2回 高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」
受賞者紹介
- 受賞者の方々
- ■朝の読書大賞
- 【小学校の部】
- 川井村立川井小学校 (岩手県下閉伊郡)
- 同校は児童数32名、学級数3の過疎地にある小規模校。「朝の読書」で培った読書活動は、児童みずからが幼稚園や介護施設に赴く「読み聞かせ出前」、家族間で行う「ファミリー読書」など、学校の枠を越えて地域との交流に発展していることが評価された。
- 【受賞者のことば】
- 川井村立川井小学校 校長 小野寺 章
- 川井村立川井小学校 校長 小野寺 章
- 6年間の継続と毎日の「朝の読書」。地域との交流にまで発展した読書を通じての心のふれあい。この受賞を通して、改めて本を巡っての人と人との縁にふれ、子どもたちのためにと取り組んできた学校の姿勢が、たくさんの人々に賞賛された喜びを職員、関係者がそれぞれに今、思い起こしています。
- 地域に根ざし、地域とともに生き、地域に支えられている子どもたちです。読書のすばらしさを伝え、広めていく楽しみが、この子等も、学校にもまだまだあります。この賞を一つのバネに、読書の推進に努めていきたいと思います。
- 【中学校の部】
- 石垣市立石垣中学校 (沖縄県石垣市)
- 全国の実施校がまだ100校にも満たない1994年から「朝の読書」を始めた先駆的な学校。3~5年前には生徒指導困難校に陥ったが、「朝の読書」の取り組みを見直し、改めて「朝の読書4原則」にそった実践による建て直しを図ったことが評価された。
- 【受賞者のことば】
- 石垣市立石垣中学校 校長 國吉 長秀
- 石垣市立石垣中学校 校長 國吉 長秀
- この度は、第2回高橋松之助記念「朝の読書大賞」をいただき、全校生徒はもとより全職員・保護者のみなさんや地域の方々も大変名誉なことと嬉しく思っています。
- さて、本校の「朝の読書」は、平成6年にスタートを切り、今年で15年目を迎えることとなりました。朝の読書を実施しました当初は、スムーズにスタートし、定着しつつありましたが、その後次第に崩れ始めたようでした。
- 4~5年前には、とうとう生徒指導困難校にまでなり生徒の心も校内も荒れてしまいました。そこで、3年前、当時の校長先生や図書館司書・国語科の教師が中心となって、これまでの「朝の読書」活動を見直し、「朝の読書四原則」を立て、教師も生徒と一緒に読書を行うことや朝の会・帰りの会は図書室で実施する等、定着するまで様々な工夫・改善を積み重ねて参りました。
- その結果、今日では、朝の挨拶で活気に溢れる校門での登校の様子とはうって変わり、教室にはいると、時間を待ちきれずに本の世界へと入っていく生徒の姿が見られるようになりました。学習前に心を落ち着かせ、静寂の中で読書に没頭する生徒達の姿に中学生としての真剣さ一所懸命さを見ることができました。
- 今回、このような素晴らしい賞を頂き、この賞の重みを全生徒・全職員で共有し、「朝の読書」の更なる充実に努めて参りたいと思います。
- 【高等学校の部】
- 高知県立安芸中・高等学校 (高知県安芸市)
- 同校では1998年度(当時は高校)から「朝の読書」を開始。2002年に中高一貫校になって以降、その特徴を活かし、中学校段階から読書習慣を根付かせ、高校段階の充実へとつなげていることが評価された。
- 【受賞者のことば】
- 高知県立安芸中・高等学校 校長 森 暁
- 高知県立安芸中・高等学校 校長 森 暁
- 本賞の受賞は学校を預かる者としてこの上ない幸せでございます。この賞が讃えてくださる主役は、特定の個人でなく生徒全員であり、さらに朝読を支えてきた教員一人ひとりであります。また、「朝読」導入11年の歩みに関わった全員が頂く光栄でもありましょう。このような性格の賞は他にありません。
- 本校では、毎年、生徒と教員が費用を出し合って文化講演会や芸術鑑賞会を開催しておりますが、それらの行事が「朝読」と呼応し合ってそれぞれにレベルアップしているようにも思います。私どもは「朝読」を一層温めてまいります。ありがとうございました。
- ■文字・活字文化推進大賞
- 佐賀県伊万里市
- 同市は、2004年度より開始したブックスタートや市民図書館による幼稚園・保育園・児童施設への本の貸出や読み聞かせ活動など従来からの読書活動に加え、2007年度から「家読(うちどく)のすすめ」を提唱し、さまざまな普及啓発活動を行っていることが評価された。
- 【受賞者のことば】
- 佐賀県伊万里市 市長 塚部 芳和
- 佐賀県伊万里市 市長 塚部 芳和
- 「読書でまちづくり」
- この度は第2回高橋松之助記念「文字・活字文化推進大賞」をいただき感謝申し上げます。伊万里市では現在、ブックスタートや幼児向けお話会、小中学校の朝の読書や読み聞かせなど子どもの読書環境づくりを進めています。また、平成19年度からは、温かな家庭づくりを目指し「家読」に取り組んできました。
- 今回の受賞はこれまでの取り組みに弾みをつけるもので、今後も「家読フェスティバル」や「家読サミット」を計画中です。人づくりはまちづくり―これからも読書を通して心豊かな思いやりの心あふれるまちづくりに、全力で取り組んでいきたいと考えています。
【お問い合わせ先】
- 公益財団法人 高橋松之助記念顕彰財団
- 〒162-8710 東京都新宿区東五軒町6-24
- TEL:03-5225-9711 FAX:03-3266-1855